代表挨拶

 皆さん、SEA.ingの活動に目を向けて下さり、ありがとうございます。
私たちはSEA.ingを2023年4月に設立し、私たちのできる範囲で背伸びすることなく活動を続けています。

 環境問題が頻繁に取り上げられる昨今、私は"自分たちにできること”と"環境問題の大きさ"の乖離を感じています。特にマイクロプラスチックをはじめとした海洋環境問題は海を遊び場とする私にとってはとても身近な存在でありながら、同時にその全貌や危険性が全くつかめない遠い世界の物でもあります。現在、日本をはじめとした各国の科学者が懸命にその危険性の有無や現状の把握に挑戦しています。

 マイクロプラスチックはそれほど大きな脅威ではないとする方もいれば、生態系に与える影響は計り知れないと結論付ける方もいます。私たちはその論争が集結するまで何となく待ち呆けることもできるでしょう。
 しかしながら、プラスチックが大量生産されるようになってから半世紀あまりで様々な問題が示唆されていること、そしてまだまだプラスチックの生産量が増え続けていることを踏まえると、これからの半世紀でプラスチック問題を取り巻く状況は大きく変わっていくことが予想されます。もしかすると手遅れとなるかもしれません。

(出典:OECD POLICY HIGHLIGHTS Improving Markets for Recycled Plastics – Trends , Prospects and Policy Responses」)

 いま私たちにできることは、日常の中で小さな抵抗を続けることです。
 いつか、科学者達がプラスチックについて明確な結論を導き出す日が来るでしょう。もしかすると最悪な結果かもしれませんし、その逆かもしれません。そのころには私たちは年を取って、抵抗する体力は残っていないかもしれませんし、もうこの世にはいないかもしれません。そうなればきっと何かできるのに何も抵抗しなかったことを後悔するだろうと思います。
 そうならないために頑張る、とまで威勢を張るつもりはありません。ただ、何となく未来の自分に怒られないためにできることをやってみようと思います。そして私たちは、小さな抵抗をしたいと考えている皆さんのその気持ちを行動に移す最後の一押し、そしてそのサポートをすることを目指して運営してまいります。

 皆様、改めてよろしくお願い致します。

特定非営利活動法人 SEA.ing 理事長  大橋康平